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当医院にご関心をお持ちの先生方へ

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@ 1945年、第2次世界大戦が終わってすぐ、オーストリアのユダヤ人精神科医(V・E・フランクル)はナチスの5箇所の収容所体験(一心理学者の収容所体験){邦訳:夜と霧}を出版し、世界中でベストセラーとなり、
精神医学関係でその後、これを超えるベストセラーは出現していない。その後彼は精神の階層性を主張して、「ロゴセラピー」を提唱し、ウイーン大学精神科教授、ウイーン市立病院精神科医師としても活躍して、言わば「精神医学的全人医療」ともいうべき活動を続けた。

 

A 1967年、ロンドンでシシリー・ソーンダース医師は、医療から見放された末期がん患者さんを集めて麻薬をふんだんに与えて疼痛を抑えたところ、(私の人生は何だったんだろう、生きる意味がるのかしら、これで終わっていいのかしら、あの世はあるのかしら)等、「私」がクローズアップされた精神状態が出現し、彼女はこの状態を「スピリチュアリティ}、又、「スピリチュアル・ペイン」として人間本質の精神の階層性として対応を始めた。その他のこともあって欧米では自然科学的精神医学とは別の観点からの、人間学、哲学、宗教学、社会学等の観点から人間存在に関わるスピリチュアル・ケア専門職として、国家資格として認定され、病院では患者さん60人に1人のスピリチュアル・ケア師の24時間常駐が一般的になっている。(人生に意味があるとすれば、苦痛、苦悩、死にさえも意味があるはずである:V・E・フランクル:生きる意味を見いだせなければ、人は生きる意欲を失う)

 

B 1969年、日本では大学紛争が起こった。これは戦後の医学の著しい進歩に対して応用たる医療制度が追いついていなく、ひいては大学の医局講座制度の在り方まで問題になったためであり、そのギャップの大きい小児科、産婦人科、精神科、少し遅れて救急医療で運動が激しかった。千葉大学精神科でも「精神科医師連合」が結成されて様々な問題が議論されたが、次第に焦点がぼやけ始め、私自身は全人医療に傾倒していった。

 

C 病院勤務での全人医療の実施にも可能性が見いだせず、次第に開業も検討しはじめた。医療制度、福祉制度は世界各国でまちまちであるが、日本の開業医は殆ど個人開業であり、イギリスでは3−4人のグループ開業が一般的であり、医学の進歩や医療の連携性を考えてもグループ診療が望ましいと考えるようになった。

 

D

銚子市立病院での恩師佐藤一三先生(日本社会精神医学会創立メンバー、後に千葉大学精神科教授)にもご相談したところ、(精神科クリニックは赤ちょうちんがが流行るところがいいと思う)とのことであり、1972年1月17日、千葉公園向かいの酒屋さんの2階、17.5坪をお借りして、千葉県で最初の精神科標榜のクリニックを開業させた。当時、通院精神療法はなく、脳波検査も8チャンネル、12チャンネルの機械での点数のみで、睡眠賦活も点数化されていなかったが、私は16チャンネルポリグラフ、睡眠賦活ルーチンで始めた。しかし、大家さんが大変心配してくださり、通院できない高血圧、頭痛,不眠症の患者さん10名くらいを紹介され、この年の外来は1か月17名で、大変厳しい状況だった。

 

E 日本に最初にCTスキャンが導入されたのは1975年6月、東京女子医大と記憶しておりますが、その年の8月にエリザベス女王がイギリスのCTスキャンを売り込みに来日し、70台の契約をして帰られた。     
 ある日、脳波計も製造している医療機器メーカーのなじみのセールスマンが突然訪ねてきて、国産のCTスキャンがエリザベスのために全く売れない、何とか買ってくれないかという訪問だった。当時のCTスキャンは頭部専用でインテル8080という8ビットのチップで計算しているもので1人30分もかかる代物だった。本当に迷ったが工場が県内にあり、EMIに遜色ない性能にしますとの話に、又、画像のすばらしさにひかれてCTスキャンを導入することにした。場所も千葉駅をはさんで反対側の少し離れた新田町に移転して、1976年10月1日より診療を開始した。やはり、脳神経学がようやく自然科学の1分野になった印象で、毎日の所見が興奮の連続だった。勢いに任せて1979年にGE社製の全身用CTスキャンに更新した。機種はCT8080という世界的なベストセラー機で国内では21号機であった。この性能は頭は1人数分で、18秒の息止めで全身の検査が出来るものであり、マイコンの進歩に感心したものである。

 

F MRIが臨床に応用されだしたのは1980年代からである。80年代中頃には、国内の多くの国立大学病院で0.5テスラきが稼働していた。ある日、GE横河メデイカルのルブラン社長が面談を申し出てきてお会いしたところ、日本にアメリカ並みの放射線科クリニックを作りたいとのことであった。私はその可能性はよく分からなかったが、当時は高磁場コイルを巻けるのはイギリスのオックスフォード社であり、シールドルーム用の厚さ90ミリの純鉄の板を製造できるのは川崎製鉄千葉工場とアメリカのA工場のみであった。

 

G 1985年から87年頃は所謂(バブル)の始まり時期であり、リース会社はメーカーが連れてきて、銀行も土地建物全額融資して、資金がなくても事業が出来る状況だった。バブルの最盛期は地価は4倍強になっていた。

 

H 1985年8月12日(世界初のジャンボ機墜落が日本であった)、UCSFのニュートン神経放射線科医師に、UCSFのMRIセンターの見学と、市内のMRIクリニックの見学をさせて頂けた。又、1988年8月には、ニュートン先生主催のアメリカ放射線科医卒後研修会に参加させていただいた。2週間、9時から5時まで50分授業があり、夜は4,000例のMRI写真を徹夜で見ることが出来、参加者の情熱に強烈な印象と衝撃を受けて帰ってきた。翌1989年4月1日より現在の東千葉に転居して1.5テスラMRIを導入した。

 

I

2021年12月31日までの当医院の実績
  1:脳波件数 90,070件
  2:CTスキャン 107,118件(終了)
  3:MRI(A): 166,885件
  4:頸動脈US: 18,849件
  5:構造化面接M.I.N.I. 5千件以上
  6:心理検査 21項目検査可能
  7:累積通院者数 80万人以上
  8:診察室 9室
  9:処置室 1個
 10:空き室 2個(数室改築可能)
 11:駐車場 17台(借地あり)
 12:看護師、臨床検査技師、臨床(公認)心理士、PSW、ケア・マネージャー、

       情報処理技術者在籍
 13:精神科専門医の他に脳神経外科医(パート)
 14:電子カルテ導入済み

 

J

結び
  1:疾病分類はICD-10からICD-11に移行中、しかし、精神科の操作的診断と併存症の

      多いという点は基本的に変化していない。
  2:医療・福祉制度は各国まちまちで、イギリスではクリニックは3−4人の開業が一般的で、

       ドイツでは医療圏毎に病院もクリニックも適正配置されている。
  3:日本の50年の変遷は公立病院は専門病棟,リエイゾン、外来の専門化、私立の

        単科精神病院はそれらの他に患者さんの社会性の向上のための各種外来機能の

        改善を行っているといえる。勿論、これは国の方針、世界の潮流でもある。
  4:当医院は全人医療を目指してきたが、まず、科学としての医療、とりわけ精神科の

       操作的診断と併存症の多さについて、患者さん、多職種で情報を共有して診療を

       行うことに努力してきた。
  5:社会変化の中でもSNSの隆盛に見るように通信機能の進歩はこれからの時代の

       特徴の一つであると思われる。(遠隔診療その他)

2022年10月吉日

医療法人社団 望葉会 日下医院  日下忠文

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医師募集

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2019.7.16

T 職種:常勤・非常勤;9:00−17:00、土曜9:00-15:30
U 資格:精神科医
V 診療内容:総合精神医療に関心のある方
W 待遇:常勤年俸;1,700-2,400万、非常勤日給8-9万
X

非常勤:2日以上(土は1日でも可)希望

Y その他:心理検査、精神障害構造化面接、脳波、MRI(脳、脊椎)実施
 *研修希望者歓迎
 *交通費:県内; 医業健保
 *看護師、臨床(公認)心理士、精神保健福祉士在籍
  日下医院の理念について


 当医院は科学的医療から全人医療への世界的な理念に基づき、多職種による総合精神科クリニックを目指しております。
医学は自然科学の一分野でありますが、精神医学は症状診断学に留まっており、しかも諸症状は複数の障害に存在しており、これを解決するために操作的診断が大部分を占めております。其のため、WHOの診断をより改善すべくアメリカ精神医学会はDSMを試みております。その様な状況でシーハン達が、疫学調査を行い、臨床頻度0・5%以上の19項目について構造化面接を作成いたしましたが、当医院はこれを10年にわたり実践しております。勿論、世界的に科学的精神医学の研究も行われてはおりますが、未だ研究は初期の段階と言えましょう。全人医療を努力するにしても、科学的医療は充実致します。

○診療概要
 @うつ病の可能性が高い症例
  HAM―DとM・I・N・Iを実施
 Aうつ病の可能性が低い症例
  SDSとM・I・N・I・を実施
  *心理テスト:MAS、SDS、HAM―D、L-SAS-J、Y−BOCS、BSDS、MMPI、ロールシャッハテスト、

    新KAST
 B発達障害:WAISW、AD/HD、AQ
 C認知症検査:頭部MRI、頸動脈エコー、長谷川式、浜松式、HAM-D、確定後血液検査
 Dその他:心電図、血液一般、甲状腺検査            以上

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